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吉田茂は、軍隊をもたないで独立を達成して、日本にばかり虫が良い状態で過ごせる期間を5、6年と踏んでいたが、朝鮮戦争にはじまるその後の展開は、日本に、あらゆる人の想像を越えた70年近くという長さにわたって平和と繁栄という恩恵をもたらした。
なんだか現実とは思われない不思議な歴史で、話として聞かされれば「そんなことが可能ならば、おれもその国の首相をやりたい」とどこかの国の首相に言われそうなほどの幸運だが、その「幸運」は棚からぼた餅として落ちてきたものではなくて、母親の顔を知らない孤児であって、皮肉なことに軍人がなによりも嫌いであったのに軍隊を名乗らない軍隊の創設者として歴史に名前を残した、一生になんども絶体絶命の場所から抜けだしては蘇った、ひとりの老人の、「見えない場所での努力」がもぎとったものであることを、ここに書いておくのも、歴史というものの上での人間の役回りの不思議さを考えるうえでは、まったくのムダではないと考えて書いておくことにします。
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葉巻と白足袋 | ガメ・オベールの日本語練習帳v_大庭亀夫の休日
おもしろかった
(via odakin)
by oolong via MyTFMRSS
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